私たちが動物園で出会える人気者のひとつにレッサーパンダがいます。しかし「レッサーパンダは、なぜ 絶滅危惧種に?」と思われる方は案外と少ないでしょう。かわいらしい姿の裏にある深刻な現状に驚かれたかもしれません。
そもそもレッサーパンダはなぜ減ったの?という疑問に始まり、絶滅危惧種のランクではどの位置にあるのか、詳しく知る機会はなかなか多くはありません。
また、日本の動物園で多く見かけるシセンレッサーパンダが多い理由や、毎年9月に開催される国際レッサーパンダデーとはどんな日なのかも、実はあまり知られていない話です。
日本でレッサーパンダ人気の火付け役ともいえる千葉市動物公園の風太くんは今どうしているのか、アドベンチャーワールドでは レッサーパンダが お引越しという話題も気になるところでしょう。
さらに、夏休みも間近になりご家族やカップルで楽しめる様な、同じアドベンチャーワールドの『NIGHT ADVENTURE 2025』や『Swimming with Dolphin~Deep emotion〜』などの特別プログラム、園内の施設紹介とおすすめエリアの情報もお伝えします。
この記事では、レッサーパンダに会いに アドベンチャーワールドへ行こうと思っている方や、レッサーパンダの現状をもっと詳しく知りたい方へ向けて、これらのテーマをわかりやすくまとめています。
レッサーパンダの未来を守るために私たちにできることを考えるきっかけとして、ぜひ最後まで読んでみてください。
- レッサーパンダがなぜ絶滅危惧種になったのかその原因
- 現在の絶滅危惧種ランクと野生での状況
- アドベンチャーワールドでレッサーパンダに会いに行く価値
- シセンレッサーパンダが多い理由や保護活動の大切さ
なぜレッサーパンダは絶滅危惧種になった?原因は?

- レッサーパンダはなぜ減ったの?
- 絶滅危惧種のランクはどの位置?
- シセンレッサーパンダが多い理由
- 国際レッサーパンダデーとは?
レッサーパンダはなぜ減ったの?
レッサーパンダが減ってしまった最大の原因は、人間の活動による生息地の破壊や密猟です。もともとレッサーパンダはヒマラヤや中国南部の標高1,500メートルから4,800メートルの森林や竹林に暮らしています。しかし、そうした環境が伐採や農地開拓、ダムの建設、単一種の植林によって失われつつあるのです。これにより、レッサーパンダは安全に暮らす場所や十分なエサを確保することが難しくなりました。
また、レッサーパンダはかわいらしい見た目から毛皮目的の狩猟やペット目的の密輸の対象になってきました。特に毛皮は伝統衣装などに利用されることがあり、需要が絶えなかったと言われています。こうした背景から野生のレッサーパンダは今や5,000頭以下とも推測されており、数十年前よりさらに減っている可能性が高いとされています。
そしてもう一つの理由に、レッサーパンダの繁殖の難しさがあります。レッサーパンダは一度に1〜2頭しか子どもを産まず、さらに育つまでに時間がかかります。自然界では子育て中に病気や外敵の被害にあうこともあり、思うように個体数が増えません。これらの理由が重なり、レッサーパンダは深刻な絶滅の危機にさらされているのです。
絶滅危惧種のランクはどの位置?
レッサーパンダは国際自然保護連合(IUCN)が定めるレッドリストにおいて「EN(Endangered)」というカテゴリーに分類されています。これは日本語で「絶滅危惧種(危機)」と訳されるランクで、野生での絶滅の可能性が非常に高いと判断された動物たちに与えられる分類です。
IUCNのレッドリストでは、絶滅リスクの度合いによって「低懸念」「準絶滅危惧」「危急」「危機」「深刻な危機」などの段階が設けられていますが、レッサーパンダはその中でも比較的上位の危険度に位置しています。つまり、何も対策を講じなければ、近い将来に野生では見られなくなってしまう可能性が極めて高いのです。
ただし、レッサーパンダはまだ完全に野生絶滅したわけではなく、野生個体や動物園での飼育個体が一定数存在しています。世界各国の動物園や保護団体では繁殖や保護活動が進められており、絶滅を防ぐために国際条約でも厳しく取引が規制されています。こうした取り組みが続けられることで、未来にレッサーパンダの姿を残すチャンスは十分にあると言えるでしょう。
シセンレッサーパンダが多い理由
日本をはじめとする多くの国の動物園で飼育されているレッサーパンダの大半は「シセンレッサーパンダ」という種類です。シセンレッサーパンダとは、中国の四川省や雲南省などに分布しているレッサーパンダのことを指し、ネパールやインド北東部に生息するネパールレッサーパンダとは分けて分類されています。
このシセンレッサーパンダが多い理由は、まず中国国内の保護繁殖が比較的進んでおり、動物園への導入が他地域に比べて行いやすかったことがあります。輸出入の歴史を見ても、国際的な保護連携に基づき中国から各国にシセンレッサーパンダが移動するケースが多く、結果として日本の動物園で飼育される個体の約7割がシセンレッサーパンダと言われるほどになりました。
また、シセンレッサーパンダはネパールレッサーパンダよりやや大きく、顔の赤みが濃いのが特徴です。尻尾の縞模様もはっきりしており、その愛らしい見た目が人気を後押しした面もあります。
ただ、こうして動物園でシセンレッサーパンダが多く飼育されているのは、種の保存のために系統管理が徹底されている結果でもあります。世界の動物園同士で血統を管理しながら繁殖を進めることで、遺伝子の多様性を保ち、将来の野生復帰への希望をつなぐ役割を果たしているのです。
国際レッサーパンダデーとは?
国際レッサーパンダデーとは、レッサーパンダの保護や現状について世界中の人々にもっと知ってもらうために設けられた特別な日です。毎年9月の第3土曜日に制定されており、英語では「International Red Panda Day」と呼ばれています。レッサーパンダの保護活動を続ける団体「Red Panda Network」が中心となり、世界規模で啓発イベントやキャンペーンが行われているのです。

この日に合わせて、多くの動物園ではレッサーパンダに関連する特別展示やガイドツアー、講演会などが実施されます。
例えば、レッサーパンダがどんな環境に暮らしているのか、なぜ絶滅が心配されているのかといった生態や現状を詳しく学べる機会が設けられています。また、子ども向けのぬりえコーナーやクイズラリーなど、楽しみながら学べるイベントを用意する園もあります。
このように言うと「イベントの日だけ盛り上がるのでは?」と思うかもしれません。しかし国際レッサーパンダデーをきっかけに関心を持った人が、その後も寄付や保護プログラムに参加する例は少なくありません。実際、ワシントン条約によってレッサーパンダは商業的な輸出入が禁止され、国際的にも厳しく守られています。それでも密猟や生息地破壊は完全には止まっておらず、こうした啓発活動を続ける必要があるのです。
前述の通り、野生のレッサーパンダは推定5,000頭以下と非常に少なく、このままでは数十年後に野生からいなくなる恐れすらあります。だからこそ国際レッサーパンダデーは、ただのイベントではなく、レッサーパンダが生き延びるために人々の意識を変える大切な日になっているのです。
絶滅危惧種のレッサーパンダに会える場所
- レッサーパンダの風太くんは今?
- アドベンチャーワールドでは レッサーパンダが お引越し
- 『NIGHT ADVENTURE 2025』の楽しみ方
- 『Swimming with Dolphin~Deep emotion〜』
- 施設紹介とおすすめエリア
- レッサーパンダに会いに アドベンチャーワールドへ行こう
レッサーパンダの風太くんは今?

立ち上がる姿で日本中の注目を集めた千葉市動物公園のレッサーパンダ「風太くん」は、現在も同園で元気に暮らしています。2025年7月には22歳を迎え、人間に換算すると100歳を超える高齢になりました。それでも大事に世話を受けながら、時には展示場に姿を現して訪れた人々を喜ばせています。
風太くんは2005年にテレビや新聞などで紹介され、二本足で直立するかわいらしい姿が話題となりました。これがきっかけでレッサーパンダ人気が一気に高まったといっても過言ではありません。今では日本各地の動物園でレッサーパンダに会えるようになり、保護活動への関心が広がるきっかけとなった存在です。
一方で、年齢を重ねた風太くんは若い頃ほど頻繁に立ち上がることはなくなりました。暑い日は涼しい場所で静かに休み、過ごしやすい季節には展示場を歩き回る姿が見られます。また、誕生日には特製の果物ケーキがプレゼントされ、飼育員が愛情込めて用意したリンゴやサツマイモをおいしそうに食べる様子がファンを和ませています。
このように、風太くんは多くの人にレッサーパンダの魅力や命の尊さを伝え続けている存在です。展示場には風太くんの様子をモニター中継で見られる設備もあるため、会いに行った際にもし姿が見えなくても、元気に過ごしている姿を確認できます。高齢になってもなお人々に笑顔を届ける風太くんは、まさに日本のレッサーパンダのアイコンといえるでしょう。
アドベンチャーワールドでは レッサーパンダが お引越し

和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドでは、これまでジャイアントパンダが暮らしていた「ブリーディングセンター」を改装し、2025年7月19日から新たにレッサーパンダの展示がスタートします。この取り組みは、レッサーパンダにとってより快適な環境を整えるためだけでなく、種の保存や繁殖を進める大きなプロジェクトの一環です。
ブリーディングセンターは希少動物の飼育や繁殖に特化した施設で、以前はジャイアントパンダの繁殖実績を数多く残してきました。そこへ今回レッサーパンダを移すことで、飼育環境がさらに充実し、遺伝的多様性を守りながら新たな命を育む拠点になることが期待されています。
ただし、お引越しの準備期間中は一部施設が工事のため非公開になったり、通路が通行止めになる日があります。訪れる際には公式ホームページや案内を事前にチェックすることをおすすめします。
これを機に、アドベンチャーワールドではさらにレッサーパンダの魅力を発信しようと様々な工夫を凝らしています。近年では繁殖にも成功しており、これまでに17頭の赤ちゃんが誕生しています。これから訪れる人は、運が良ければ可愛らしい子どものレッサーパンダに会えるかもしれません。
このように、アドベンチャーワールドの新しい取り組みはレッサーパンダの未来を守る大切な一歩です。旅行先として訪れることで、楽しみながら保護活動への理解を深められるでしょう。
『NIGHT ADVENTURE 2025』の楽しみ方
『NIGHT ADVENTURE 2025』は、和歌山県白浜町にあるアドベンチャーワールドで2025年7月25日から8月24日まで開催される夏の夜限定イベントです。普段は昼間に楽しむパークですが、この期間は夜8時まで延長営業しており、昼間とはまた違った魅力に満ちています。
なかでも目玉となるのが夜の水上ショー「ナイトマリンライブ LOVES」です。光に包まれたビッグオーシャンでイルカやクジラがトレーナーと共に織りなす幻想的なパフォーマンスは、日中のライブ以上にロマンチックなひとときを演出してくれます。座席は全席指定の有料ですが、S席やA席など細かく分かれており、好きな席でゆったり鑑賞できるのがうれしいポイントです。
また夜のサファリを歩いて回る「ナイトサファリハイキング」では、少しずつ暗くなる中で飼育スタッフのライブ解説を聞きながら動物たちを間近で観察できます。ライオンやチーター、サイ、キリンなどの動物の習性を詳しく知ることで、普段の見学とは違った視点で楽しめますし、夜ならではの落ち着いた動物の表情が見られるのも魅力です。
このほか、謎解きワークシートに挑戦したり、夜限定の飲食メニューを味わったりと、楽しみ方は多彩です。なおイベントはそれぞれチケットが必要になるものもありますので、あらかじめ公式サイトで予約状況を確認しておくと安心でしょう。
こうした夜のイベントは、昼の暑さを避けてのんびり回れる点も大きな魅力です。

涼しい夜風の中で過ごす動物園体験は夏の思い出にぴったりですし、大人も子どもも楽しめる仕掛けが随所にあります。せっかくアドベンチャーワールドを訪れるなら、この期間にあわせて夜まで存分に満喫してみてはいかがでしょうか。
『Swimming with Dolphin~Deep emotion〜』

『Swimming with Dolphin~Deep emotion〜』は、アドベンチャーワールドの夏限定プログラムで、2025年7月19日から8月31日までの35日間、イルカと一緒に泳げる特別体験です。このプログラムは午後3時から約100分にわたり実施され、普段では味わえない感動を間近で楽しめます。
内容は、ウェットスーツに着替えて水に慣れる時間から始まり、プールの中でイルカと触れ合ったり、一緒にダンスしたり、背びれにつかまって泳ぐ体験まで盛りだくさんです。トレーナーがしっかりサポートしてくれるので、泳ぎに自信がない人も安心して参加できます。
この体験ではイルカがそっと近づいて胸びれを差し出してくれたり、一緒に水中をくるくる回ったりする瞬間がありますが、そのときの距離感や目が合ったときの感覚は言葉にしがたいものです。プログラム終了後にはイルカと泳ぐ様子を撮影した写真データがもらえるため、大切な思い出をしっかり形に残せるのも魅力です。
ただし、このプログラムには4歳以上で泳げる人という参加条件があり、事前予約が必要です。また動物の体調や天候によっては中止となる場合もありますので、当日の朝に公式サイトや園内インフォメーションで確認しておくことをおすすめします。
こうしてイルカと直接触れ合うことで、単なる見学だけでは得られない「いのちを感じる体験」ができます。水の中という非日常の空間でイルカと心を通わせるひとときは、大人にとっても子どもにとっても一生忘れられない夏の思い出になるでしょう。
施設紹介とおすすめエリア

アドベンチャーワールドは「サファリワールド」「マリンワールド」「エンジョイワールド」の3つの大きなエリアに分かれており、それぞれに見どころが満載です。ここでは初めて訪れる人でもわかりやすいように、主な施設とおすすめの回り方をご紹介します。
まず「サファリワールド」は、迫力満点の肉食動物や草食動物が暮らす広大なエリアです。ウォーキングやケニア号(専用バス)での見学が可能で、ライオンやチーターがのんびり過ごす様子を間近に見ることができます。歩いて巡れば細かな生態解説パネルも読めるため、子どもの自由研究にもぴったりです。
次に「マリンワールド」では、イルカやクジラによるダイナミックなマリンライブが開催されます。ビッグオーシャンをはじめ、アシカやペンギンが暮らすエリアも充実しており、涼しい館内でゆっくり観察できるのが嬉しいポイントです。また夏にはマリンウェーブでの特別イベントやふれあいプールも楽しめます。
さらに「エンジョイワールド」は遊園地ゾーンで、ジェットコースターやメリーゴーランドがあり、動物観察とは違ったスリルや楽しさを味わえます。屋内型のエンジョイドームもあるため、急な雨の日や暑い日でも快適に過ごせます。
そして見逃せないのが新たにレッサーパンダの展示が始まるブリーディングセンターです。以前ジャイアントパンダが暮らしていた環境を改装し、レッサーパンダがのびのび暮らせるようになっています。ファミリー広場やウェルカムルームの展示と併せて巡れば、さまざまな表情のレッサーパンダに出会えるでしょう。
こうして見るとアドベンチャーワールドは、動物園・水族館・遊園地の楽しみを一度に味わえる珍しいスポットです。家族やカップル、友人同士でも1日中飽きずに過ごせますので、計画を立てるときはパークマップを活用しながら、気になるエリアを中心に回ってみてください。少し早めに到着して開園から閉園までしっかり遊び尽くすのがおすすめです。
レッサーパンダに会いに アドベンチャーワールドへ行こう
アドベンチャーワールドは、先日4頭のジャイアントパンダたちが中国へ旅立ったばかり。
寂しいニュースではありましたが、そのなかでも今注目を集めているのが、新たに展示を開始するレッサーパンダです。以前ジャイアントパンダが暮らしていたブリーディングセンターを改装し、2025年7月19日からレッサーパンダが公開される予定です。
このレッサーパンダたちは、広い屋内外の運動場や木のある環境で、のびのびと暮らしているのが特徴です。太くて長いしっぽや、木の上でバランスを取る可愛らしい姿は、見ているだけで癒されることでしょう。
また、アドベンチャーワールドでは国内外の動物園と連携し、種の保存や遺伝的多様性を守る繁殖プログラムにも力を入れています。訪れることで、単なるレジャーにとどまらず、こうした保護活動を間接的に支えることにもつながるのです。
昼間は比較的眠っていることが多い動物ですが、開園直後や夕方など薄暗くなる時間帯は活発に動き回る様子が見られやすいです。
ただし、レッサーパンダは暑さに弱い動物です。夏場は涼しい屋内にいる時間が長くなることもあるため、暑い季節に訪れる際は屋内の展示スペースを重点的にチェックしてみるのがおすすめです。また混雑が予想される週末や連休中は、チケットを事前にオンラインで購入しておくとスムーズに入園できます。
このように、アドベンチャーワールドは単なる観光スポットではなく、希少動物に出会える貴重な場所でもあります。家族や友人と楽しむのはもちろん、一人でゆっくり観察するのもまた特別な体験です。
もしあなたが「かわいいレッサーパンダを間近で見たい」「絶滅危惧種の現状を知りたい」と考えているなら、この夏はぜひアドベンチャーワールドへ足を運んでみてはいかがでしょうか。きっと忘れられないひとときになるはずです。
レッサーパンダは なぜ 絶滅危惧種なのかを理解する
記事のポイントをまとめました。
✅生息地の森林が伐採や農地化で急速に失われている
✅ダム建設や単一植林で竹林が減りエサが不足している
✅毛皮目的の密猟が昔から続き今も根絶されていない
✅ペットとして密輸される事例が後を絶たない
✅野生の個体数は推定5,000頭以下と極めて少ない
✅レッサーパンダは一度に1〜2頭しか出産しない
✅子育て中の病気や捕食により個体が育ちにくい
✅IUCNレッドリストで「危機(EN)」に分類されている
✅絶滅リスクは低懸念種より数段高い危険度に位置する
✅シセンレッサーパンダは中国で繁殖が進み輸出が多い
✅日本の動物園で飼育される7割以上がシセンレッサーパンダ
✅毎年9月第3土曜は国際レッサーパンダデーで啓発が行われる
✅千葉市動物公園の風太くんは22歳で高齢ながら健在
✅アドベンチャーワールドでは新たにレッサーパンダ展示が始まる
✅レッサーパンダの展示を通じて保護意識を高める取り組みが進む
最後までお読みいただきありがとうございました。